一度踏み入ったら出口の全く見えない音楽の深い森。森の中を彷徨い歩く内に出会った神々と妖精たちのお話です。

空中リゾート
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すっかり秋めいて気温が下がるばかりという時に、季節外れの話題で恐縮ですが、この夏とある超高級ホテルに行って来ましたのでその時の写真をご紹介します。ちょっとした息抜きです。


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この不思議な光景は如何に? 既に行かれた方は直ぐにお分かりになるかと。


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視線を下げるとこんな感じ・・・ 益々不思議ですねぇ。。。


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ややや! 人がいます!


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そう、ここは何と超高層ホテル57階の屋上にあるスイミング・プールなんです!


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もう、お分かりでしょう。シンガポールのマリーナ・ベイ・サンズ・ホテルです。それにしても屋上のプール、水がプール・サイドから眼下に見えるビル群側に向かってかけ流しになっているのですが、溢れた水はどうなっているのでしょうか。それもさることながら、へりの向こうまで泳いでいったら空中に放り出されて地上に落ちてしまいそう・・・。


ご興味がありましたら、是非お出かけ下さいませ。ホテルに宿泊するとプールで泳ぐことが出来ます。上の仕掛けについては、その時までのお愉しみということで。(日焼け止めクリームを全身に塗ることをお忘れなく。紫外線が半端なく強いです。)


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それにしてもシンガポールってスゴイ国(街)だとつくづく思いました。ショッピングモール内のファッション・センスもなかなか素敵です。






さてさて、十分日光も浴びたし、かなり羽も伸ばしましたので、そろそろ仕事に戻りましょうか。


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十六夜
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昨日10月4日は旧暦の8月15日、いわゆる中秋の名月「十五夜」でした。ススキやお団子などでお供えをされた方もいらしたのではないでしょうか。そして翌10月5日の今夜は「十六夜(いざよい)」となります。


さて暦の上で「十五夜」と言うからには、きっとまん丸いお月様に違いないと思われた人も多かったと思われます。ところが、実際に昨夜のお月様をご覧になられた方はお気付きのように、実は向かって左側がほんの少しだけ欠けておりました。おそらく今夜か明日の方が真の満月に近いのではないでしょうか。


ことほど左様に、思い込みと事実とは異なることが世の中には数多く存在しています。


昨今の話題と言えば、何と言っても降って沸いたような衆議院解散と総選挙です。その以前であったならば(しばらく当ブログをお休みした間に)北朝鮮(朝鮮民主主義共和国)による度重なるミサイル発射とその後の水爆核実験や、トランプ大統領による相変わらずの挑発的発言の数々と米国内の混乱など、いろいろコメントしたいところですが、そちらはさておき、やはり今は選挙です。何はともあれ、18才以上の若い有権者たちが、初めて国政の舵取り役を決める投票をすることになる衆議院選挙です。今までなら「政治には無関心だから、投票なんかには行きません」と答えていた方々に対して特に言いたいのですが、「これからのあなたの生活に直接影響する重要な判断を人任せにして、本当にそれでいいのですか」と声を大にして注意を喚起したいと思っています。


それにしても、安倍首相のここぞとばかり狙い澄ました電撃的国会解散の後、小池都知事による「希望の党」の立ち上げ、民進党前原代表による党所属であった大半の議員の希望の党への合流、必然的に起こった民進党リベラル派による立憲民主党の立ち上げという急激な民進党の崩壊、・・・。まるで日替わりメニューのように、毎日のニュースの話題には事欠きません。それぞれに思うことは沢山ありますが、ここで一つだけ書いておきますと、あれほど都議会議員選挙で圧勝した「都民ファーストの会」を事実上率いていた小池さんの本心が、実は自民党の本流と殆ど変わらない改憲賛成派であり、安保法制容認派であったという事実について、旧民進党議員らの希望の党への合流に際して半ば強制的に踏み絵を踏ませたことで明らかになったことです。当ブログ管理人は本年最初の記事の中で、今年は女性が特に輝く年であろう(そうであって欲しいとの期待を込めて)と書きました。その最有力候補の一人が小池さんであり、事実多くの舞台で大いに注目を浴びています。しかしながら、おそらく都議会議員の選挙の時には、有権者の大半が自民党所属の国会議員や官僚たちの到底きちんとした説明とは言い難い言い逃れ答弁に対して怒りを覚え、自民党にお灸をすえるべく、ほとんど名前も顔もよく知らない新人であるにも拘わらず、都民ファースト公認・推薦という理由で、その候補者に票を投じたように思われます。従って、最近の小池さんの言動を見たら、アレッ?そんな筈ではなかったのにと思っている有権者の数は極めて多いのではないでしょうか。今回の選挙では、ムードや思い込みに流されることなく、各候補者らの主張をよく聴いて、しっかりとご自分の投票先を見極めて頂きたいと心から思います。安倍さんの批判をしているからと言って、必ずしもリベラル的というわけではありません。勝手な思い込みは禁物です。


ちょっと音楽の話題から外れました。外れついでに、当ブログはその内容からもお分かりのように、普段非常にマイナーなクラシック音楽ばかりを取り上げるためか(一部の例外はあり)、正直に申しましてあまり多くの来訪者があるわけではありません。読者の皆さんのことを全く意識していないというわけではありませんが、例えば同一ジャンルの他の方がお書きになるブログを気にしたり、ましてや来訪者数を競争するようなことには全く関心がありません。そのようなわけで、本人が気が向いた時くらいしか、他のブログを覗いたり、コメントをすることは致しません。ところが、ある時、本ブログと同じタイトルを冠した『クラシック音楽の深い森』という名のフェイスブックがあることに偶然気が付きました。開設時期が約3年余り前の2014年のようです。一応こちらの読者の方々にお断りしておきますが、そのフェイスブックと当ブログとは何の関係もありません。多分記事の内容を読み比べれば、直ぐにお気付きになるとは思いますが、念のため。





それで今日の音楽は、そのものずばり『十六夜物語』です。作詞:吉元由美/作曲:河合奈保子。河合さんはデビューして暫くは他の作曲家の手になる作品の曲を歌っていますが、この曲を発表した前年の1986年頃より積極的に自身で作曲するようになった点が当時のアイドル歌手とは異なります。

ところで、冒頭の絵と真ん中の記事の関連については言わずもがなですよね。(笑)






アイルランドの風景(5)
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アラン諸島と言えば、ファッションに多少とも関心のある方なら直ぐにあれでしょとピンと来る筈です。


そう、アラン(織り)・セーター発祥の地なのです。本土からのフェリーが発着するキルロランの港から数分のところに、壁に大きく「Aran Sweater Market」と書かれた発売所があります。


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お店の中に入ると、女性用・男性用を問わず実にたくさんの商品が並べられており、お土産には最適の品かも知れません。


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お値段は、勿論サイズやデザインによって多種多様ですが、おおよそ1着50ユーロから100ユーロくらいです。遥々ここまで来て購入したことを思えば、意外と安価なのではないでしょうか。


さて、アラン織りと言えば、ケルト文様のような網目の凹凸がくっきりと目立つ独特の編み方が有名です。都会から遠く離れた漁師たちの島で何故にアラン織りのような産業がこの地で生まれ、今日まで受け継がれて来たのかは、アラン諸島が何世紀もの間くぐり抜けて来た歴史(それはアイルランド辺境の地の多くの漁師町にも当てはまります)、即ち厳しい大自然との闘い、ほとんど農作物が収穫できない岩石だらけの荒れ地において、わずかに人々の生活を支える牧羊業、そして危険を伴うとは言え、唯一豊富な生物資源とも言える大西洋の恵み、それらが相俟って初めてほんの少しだけ理解されるような気が致します。次の動画は、その辺りを見事にまとめています。





島を離れる前に撮影したケルト十字。これは墓標ではなく、おそらく観光者向けの記念碑でしょう。とても印象的な風景に満ち溢れたアラン諸島。またいつの日か再び訪れたいと心から思いました。


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今日の音楽は、やはりアイルランドと言えばこの人の存在なくしてこの国のクラシック音楽は語れないSir Charles Villiers Stanford(1852-1924)の管弦楽用作品からアイリッシュ・ラプソディー第6番, Op.191。Stanfordについては、このブログで何度も取り上げていますので、特にここでは紹介を繰り返しません。






アイルランドの風景(4)
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仕事のためとならば、世界の果てまでさえも出掛けることを厭わない(性格的に拒否できない?)当ブログの管理人。今回は、少々仕事のことは忘れて、普段滅多なことでは訪れるチャンスがない念願の地、アラン諸島にまで足を伸ばすことにしました。最初に行こうと予定していた日は、生憎の荒天のためフェリーが欠航。翌朝も雨模様で、半ば諦めつつも、ゴールウェイ市内のフェリーの切符発売所に行き運行状況を尋ねると、今日は出るよとの返事。間髪を入れずチケットを購入しました。


もっとも、後述する今回の旅で是非行ってみたかった目的地(の一つ)に辿り着くのは、そう容易なことではありません。先ずは、ゴールウェイの街からアラン諸島へのフェリーが発着する港の町ロッサビルまで、バスで1時間ほど。そしてフェリーは日に何本も出ていませんから、朝のバス1本を逃すと、事実上その日の内に島に行って帰って来ることが不可となりますので要注意です。バスの車窓から見えた海岸線の風景が冒頭の写真です。この時は潮が大きく引いていました。


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ロッサビルの港でAran Island Ferriesという会社の船に乗り換え、いよいよアラン諸島へ。諸島は大、中、小、3つの島から成っており、今回はその中で最も大きなイニシュモア (Inismore) 島に渡ります。アイルランド語(ゲール語)では Inis Mor と呼ばれており、アイルランドの伝説的ハーピスト、オカロラン (Turlough O'Carolan, 1670-1738) の出世品 「Sí Bheag, Sí Mhór (小さな妖精の丘と大きな丘)」(2008年8月1日の記事を参照のこと)をご存じであれば、島の名前もピンと来ます。


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小1時間の船旅を経て、いよいよイニシュモア島の玄関口、キルロランの村に到着です。島の面積は12平方マイル、人口は800人余りとのことですから、兎に角、最果ての島に来た感は半端でありません。


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島内を巡る手段としては、現地のマイクロバスによるツアーに参加、馬車の借り上げ、徒歩など何通りかありますが、管理人は何を血迷ったかレンタサイクルに乗ることに。安かったから(1日借りて10ユーロ、他にデポジットとして10ユーロですが、返却時に返してくれます)というのがその理由でしたが、なだらかなアップダウンとは言いながら、季節が未だ肌寒い時分で、しかも常時風が強いこともあり、漕ぐのが無茶苦茶しんどかったです。借りてから直ぐに大変後悔しました。とりわけ海岸線に沿った低い道を行けば良かったのに、丘の上を越える道を選択したのが大失敗。ヒーハー言いながら必死に漕ぎ続ける内に、やがて目的地の方向を示す標識がありました。


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どうです?読めますか? 左上に「Dun Aonghasa」とあるのが分かるでしょうか。


そして間もなく見晴らしが良い処に到着。


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ここまで来るのに、かれこれ2時間くらいはかかったのではないでしょうか。それにしても見渡す限りの石垣に囲まれた牧草地、牧草地・・・。島中が岩石で出来ているようなものですから、材料だけは豊富です。とは言え、これだけの石垣を積み上げた労苦のことを思うと、気が遠くなります(このことはアイルランド全土に言えます)。


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紀元前にケルト人が到来した時には、既に古代の先住民が居住していた痕跡として考えられたドンエンガスの遺跡と断崖。それが目的地の一つです。自転車や自動車(馬車)は、この遺跡の手前までしか入ることは許されず、ビジター・センターにレンタサイクルを置き、入場料?を払って、最後のアプローチは徒歩となります。この石積み城壁に空いた通り口を抜けて得られた眺望が次の写真です。


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高さ約100メートルの断崖が連なっています。


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反対方向にも延々と断崖が・・・。


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そして断崖の上から遥か沖合を眺めると、大西洋の大海原がどこまでも拡がっています。幸いに、朝には怪しかった空模様も、この時だけは嘘みたいに晴れ渡り、ここまで大変な思いをしながらもやって来たことを本当に良かったと思いました。遥か地平線の彼方には新展地となるアメリカ大陸があることを知ってか知らずか、18世紀半ばに突然遭遇したアイルランド大飢饉を契機に、アイルランド本島住民の多く(一説には数百万人とも)が母国を離れ、海を渡って未だ見ぬ新世界へと大移動しました。


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恐る恐る眼下の海面を撮影。断崖の縁には柵も何もありませんから、もしも強風が吹いていたら腹這いになって覗き込むことすら至難です。旅行後に自分が撮影した写真を眺めて、よくもこんな場所で自撮り棒も使わずに撮ったものだと、一人で感心。その時になって初めて足がガクガクと震えました。というか、これまで落下事故とか起きなかったのかしら?


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歩いて登って来た道を戻る時のスナップ写真です。


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来た道をもう一度自転車で引き返すのは、体力的にとても無理と判断。今度は海沿いの低い道をゆっくりと走ることにしたら、馬車とすれ違いました。英語でご挨拶したところ、何やら返事をされたのですが、何を仰っているのかまるでチンプンカンプンです。そう言えば、このアラン諸島の住民は、アイルランドが経験した近現代の社会的動きとは全く隔絶されたように、それまで祖先代々が築き上げた伝統的な生活・文化を受け継いでいます。従って住民同志が会話する言語は、ほぼ完全にアイルランド語(ゲール語)。会話が通じないのも無理はありません。(ただし島自体が観光地ですから、そうしたお客様相手の施設では問題ありません。)






さて本日の記事の最後は、ケルティック・ムード満点の音楽で締めくくりましょうか。作者名は動画の最後に現れて来ます。歴史的資料価値の高い写真も大変優れています。







アイルランドの風景(3)
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Kylemore Abbeyから更に北に向かうと、アイルランドに現在只一つ残る、かつて氷河が削った痕跡であるフィヨルド湾を見ることが出来ます。上の写真は湾の出口方向(西)を撮影したもの。


反対側(東)を撮影すると、まるでスコットランドやスカンジナビアの趣に変わります。


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そして、この写真にも写っていますが、アイルランドでは本当に全島至るところで羊を多数見ました。特にこの地方の周辺では白黒のツートン・カラーが特徴であるキラー・シープが居ます。大自然の景色の中にぽつねんと草を食む様子は、なかなか絵になっていると思われませんか。


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フィヨルドから東に向かってゴールウェイに戻るようにして少しドライブすると、Mayo郡にCongという名前の小さな町があります。


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アイルランドでは本来の母国語であるゲール語(アイルランド語)の復興に力を入れており、各地の道路標識は上段にゲール語、下段に英語で書かれています。2つの言語は多少似ていることもありますが、結構異なっており、現地語で話されると全く何を言っているのか分かりません。言葉はさておき、何より周囲の静かで美しい風景に心が癒されます。


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静かな川のほとりにこんな井戸があって、「Make a Wish」とありました。何でこんなところに?と不思議に思われた方もいらっしゃることでしょう。実はこの町、あることで大変有名なのです。さて、ここで読者の皆様にクイズです。この町が有名なのは一体どんな理由があってなのでしょう?次の写真をヒントにお答え下さい。


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直ぐに答えられた方は、相当古くからの映画ファンに違いありません。


アイルランドを舞台にした名画はたくさんありますが、古典的に最も有名な作品は「わが谷は緑なりき」。本ブログでも随分以前に取り上げたことがあります(2007年6月13日の記事)。


ジョン・フォード監督が自身アイルランド移民の末裔であることを意識して、上作から11年後の1952年に制作したアメリカ映画「The Quiet Man (邦題「静かなる男」)をこの町で撮影したのです。映画のストーリーの詳細は他に譲るとして、かいつまんで言えば、アメリカ人のショーン青年(主演ジョン・ウェイン)が米国での生活に疲れ、生まれ故郷であり、幼少期を過ごしたアイルランドの小さな村に戻ることを決めます。そして暮らし始めて間もなく、村娘メアリー・ケイト(モーリン・オハラ)と恋仲になるのですが、ケイトの兄レッド・ウィルは突然他所から闖入して来たショーンが気に入りません。


そうこうする内に、ウィルはショーンに決闘を申し込むのですが、かつてアメリカに住んでいた時にボクシングの試合で相手の命を殺めてしまったショーンは、そのことを黙して語らず決闘の申し込みから逃げ続けようとします。周りから臆病者と蔑まれ、ケイトにまでも愛想を尽かされるショーン。そして結末は如何に・・・。


アメリカは移民の国。2つの世界大戦を経て得た繁栄と平和を迎えた米国民(白人)の多くは、このような自らのルーツを意識した作品に、様々な苦労を振り返りながら慰めを求めたのだと思います。映画制作から早や半世紀以上が経過しているにも拘わらず、この町を訪れる人々が絶えることはありません。


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町の中心部にあるカフェ、その名も「The Quiet Man Cafe」。ここでは、ちょっとしたお土産などを購入することも出来ます。この他、町の諸所が映画のロケに使われました。少し町外れには廃墟となった古い修道院の跡も。敷地の中にはケルト十字の墓標がたくさん立っていましたが、あくまでお墓なのでここでの掲載は止めておきましょう。修道院前の草原には、時の経過を忘れさせてしまうように静かなアイルランドの風がそよいでおりました。


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さて、本日の音楽は「The Quiet Man」のメイン・テーマ曲「The Isle of Innisfree」(アイルランドのソングライター Dick Farrelly が1950年に発表) 。世界的大ヒットとなった懐かしのBing Crosbyによる歌声と現代のRebecca Winckworthによるハープ演奏を奏でながらの美しい歌唱をそれぞれお届け致しましょう。フォード監督は、このメロディーと歌詞を聴いて大変気に入り、映画の主題歌に決めたそうです。「Make a Wish」の意味もお分かりになるかと。








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