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自由と民主主義の国から(4)
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- 2007/11/18(Sun) -
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![]() この方のお顔を見て、初めは何か見覚えがあるのだけれど誰だったかなあと、すぐには分かりませんでした。しばらくして、ああそうだったと気がつきました。そうです、故ケネディ大統領の頭像です。 丁度週末に時間が空きましたので、ケネディ芸術センターで行われているワシントン国立オペラによるモーツァルトの歌劇「ドン・ジョバンニ」を観に行きました。生でこのオペラを観るのは初めてです。入場料は税込みで約50〜230ドルの範囲でした。めったにない機会でしたので、ちょっと奮発して約200ドルのチケットを購入。それでも日本でオペラを良い席で観ようと思ったら、その倍はかかることでしょう。 ケネディ芸術センターは非常に大きな劇場コンプレックスです。中央にオペラハウス、その左右にはコンサートホールが通路を挟んで一つずつ、全部で3つの大きなステージがあり、その他に小規模のホールやステージが4つほどあります。観客座席数は、オペラハウスとコンサートホールがそれぞれ2300〜2400人分とのです。通路を隔てて防音はしっかりしていますから、オペラと交響楽団の演奏会が同時に行われても大丈夫です。 大枚をはたいただけあって、席はオーケストラピットがほぼ全面に覗ける最前列から2つ目の列で、舞台中央よりはやや左側でした。少し早めに入場して辺りを観察することに。ヨーロッパの劇場に比べると、シャンデリアなどもちろん豪華なのですが、壁の装飾などは意外に質素で、いささか拍子抜けがしました。ただし流石にオペラ鑑賞ということで、お客さんの層が普通のコンサートとだいぶ違っておりました。それなりに社会的に成功したと思われるリッチな人々ばかりで、カップルで来られている人たちが圧倒的に多いです。もちろん男性はネクタイ・スーツ着用の正装、女性も皆ドレッシーな装いであることは言うまでもありません。一応管理人も、あまり場違いで見苦しい服装はしないようにと用意しておりましたので、ホッと胸を撫で下ろしました(笑)。 初めこそパラパラとしたお客さんでしたけれど、開演時間ともなると空席が全く見当たらないほどの満席です。舞台が暗くなり、まもなく指揮者がピットに現れました。本日の指揮は、あの名テナーとして名を馳せたプラシード・ドミンゴさんです。先日パヴァロッティさんがお亡くなりになりましたが、ホセ・カレーラスさんと3人で世界中のステージに上り喝采を浴びたのは、ついこの間のことだったように思います。 そのドミンゴさんが、ピットから顔を出し、ぴょこんと頭を下げて観客にご挨拶。変な表現かも知れませんが、すごく可愛い感じがしました。そして振り返るとすぐに指揮棒を持ち、それを振り下ろしました。 物語は皆さんよくご存知でしょうから省きますが、「ドン・ジョバンニ」っていわゆる「ドン・ファン」つまり少々下品な言葉を使えば「すけこまし」のお話なんですね。有名なアリアなどは耳に馴染んでいましたが、ストーリーとの関連が実はよく分かっていませんでした(笑)。正直に言えば、管理人はモーツァルトのオペラは苦手なのです。「魔笛」こそストーリーも音楽も面白く楽しめますが、他はどうにものめり込めず、敢えてCDで聴こうとも思わない方だったのです。だから今回のチケット購入は、へたをすると大金を捨ててしまう大きな賭けだったのです。 ところが、始まってみるとこれが面白い。ステージ上方にスクリプターがあってイタリア語の歌詩が英訳されることもあるけれど、何より舞台の歌手連の仕草、表情が実に豊か。笑いを誘うセリフの度毎に観客の笑いと喝采が絶えないのです。当日の配役は、主役のドン・ジョバンニにIldar Abdrazakov、従者のレポレロにAskar Abdrazakov、ジョバンニに見捨てられた女エルヴィーラにAnja Kampe、村娘のツェリーナにはAmanda Squitieliでした。男性陣がダブル・キャストになっており、特にIldarは日によってジョバンニとレポレロをこなしたようですから、相当な芸達者なのでしょう。 ツェリーナ役Squitieliのまるでマリリン・モンローのようなセクシーな身のこなしは見ものでした。ソプラノ歌手鮫島有美子さんが彼女の著書「プラタナスの木陰で」(時事通信社)の中で書いてらしたけれど、この役は決して愛らしい娘さんを演じれば良いのではなく、実は案外したたかなところがあることをヨーロッパで学んだと述懐されています。婚約者マゼットとのやり取りなどは、ドタバタ劇の中にも一筋縄では理解し難いそんな人間性の複雑さ・奥深さすら感じさせる演技です。拍手喝采の内に第一幕のカーテンが降りました。 第ニ幕は、女たらしドン・ジョバンニの追求劇です。見所は、やはり第一幕で殺された騎士長が墓場で亡霊の石像となって登場する場面。怖いけれど、コケティッシュな演出で笑いを取ることを忘れません。そして石像は食事に招待されることに。その石像が食事の席に現れる場面もなかなか凝った趣向で、最後ジョバンニは悪業の報いを受けて地獄に落ちてしまいます。このシーンでは、ちょっとした手品のように舞台から姿が消える工夫があってこれまた面白い。エンディングでは、ジョバンニを除く全員がこれからの生き方に誓いを立てて幕は閉じます。もちろん万雷の拍手が後に続きました。 一言で言えば、「来て観て良かった」です。やっぱりオペラのような舞台芸術は、聴くだけではその価値は半減と言うか、おそらく何分の一にしかならないことを実感した夜となりました。皆さん、お財布に余裕があったら劇場にオペラを観に行きましょう。あ、お金ない? そんな人のために、ではほんのちょっとだけ舞台の様子をお見せしちゃおうかなぁ。。。[画面右側下の方にある「Watch a Video Clip」をクリックするとダイジェストが現れます。] http://www.dc-opera.org/ourseason/dongiovanni.asp オペラを話題にしましたので、今日の音楽はチェコ生まれで、後にアメリカに移住し、ハリウッドで数多くのフィルム・ミュージックの製作に携わったコルンゴールド(1897-1957)が弱冠23才の時に作り上げた歌劇「死の都 Die Tote Stadt」(1920年作)を挙げて置きましょう。この作品は、死んだ妻にそっくりな女性の登場に魅了され、妻の亡霊と相手の女性双方に悩まされ、夢と現実が分からなくなる男の悲劇を描いたオペラです。この曲を作曲した当時、コルンゴールドはまだヨーロッパに居り、実際に米国に移住したのは1934年です。しかし、ツェムリンスキーやマーラーらに師事し、R.シュトラウスを含めて彼らから一様に天才と折り紙をつけられたコルンゴールドの煌びやかで、ある意味退廃的な爛熟の管弦楽手法に陶然とさせられることは請け合いです。やがて、こうした後期ロマン派終期の音楽がアメリカの、しかもハリウッドという舞台芸術の大衆化に先導的役割を担った最前線に持ち込まれたことは、米国の音楽史を理解する上でも大きな意味があります。そしてそうした類稀な手法が、わずか20才余りの若者に完全に身に付いていたことにも改めて驚かされることでしょう。 ![]() |
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小春日和
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- 2007/11/04(Sun) -
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![]() 何を突然季節違いの写真かって? だって今日は、とても暖かな小春日和でしたから。。。 今日は珍しく吹奏楽の話題から。先日旅先のホテルで、リュ・ジャンハ監督、チェ・ミンシク主演の韓国映画「春が来れば」(2004年制作)を、鑑賞しました。芸術路線の作品ではありませんから、こちらのブログで以前紹介しました格調高い諸名作とは少々趣きが違っています。しかし、とても心の温まる、正に小春日和のぬくもりを感じさせてくれる佳品でした。 物語の主人公は、音楽大学ではトランペットを専攻し、やがては有名交響楽団に入団、さらにはソリストとしても活躍したいという夢を持っている30代後半とおぼしき男性。もっとも実力は持ちながら、なかなかオーディションに合格することも無く、うだつは少しも上りません。かつての音楽仲間たちからは徐々に敬遠され、加えて付き合っていた彼女からも、結婚話があるのだけれどと、それとなく別れを言い出されます。 収入らしい収入も無く、貧しい暮らしに耐える母の視線を重荷に感ずる男は、次第に生きる意欲すら失いそうになります。そんな時、ふと目にした新聞には小さく音楽教師募集の広告が・・・。それは炭鉱の閉鎖で活気を失った、都会から遥か離れたとある田舎町の中学校吹奏楽部を指導するという仕事でした。炭鉱とブラスバンドと言えば、誰もがイギリス映画「ブラス!」を想い出されることでしょう。あの映画の再現かという予感が致しましたが、この映画は少し違いました。とにかく、少ない部員数と長い間ろくに指導らしい指導も受けられなかったため、生徒たちの演奏はとても演奏と言えるしろものではありませんでした。今度のコンクールに入賞しなければ廃部らしいのですが、出場すら危ぶまれる状況です。 そんな大変な状況の中学校に赴任した先生は、すっかり諦めの境地の中、それでも町の薬局屋に勤める純粋無垢で心優しい娘さんや心の温かい町の人々に助けられて、少しずつ生きて行く勇気を取り戻します。 ジュンハ監督にとって、本作品がメガホンを取った初の長編作品。そして初作品では、是非とも「再会」をテーマにした映画を作りたかったとのことです。果たして生徒たちはコンクール出場が叶ったのでしょうか。また「再会」は、実現するのでしょうか。これ以上はネタバレになりますので、映画の公式HPとカットを数枚だけ揚げて置きましょう。 http://www.sonypictures.jp/movies/springtime/site/ ![]() ![]() さて秋も深まりますと、吹奏楽コンクールのファイナルを迎える季節でもあります。丁度昨日と今日、長野において第55回全日本吹奏楽コンクールの大学の部と職場・一般の部の全国大会がそれぞれ行われました。この記事がアップされる頃には、すべての審査結果が出ていることでしょう。 と言うことで、本日のCDは、現代イギリス吹奏楽界においてPhilip Sparkeと並んで人気を分け合うMartin Ellerby (1957-)の傑作‘ベネチアの魅力 Venetian Spells’を含むPolyphonicの1枚をご紹介致します。同曲は、一見古風なバロックスタイルのリズムによって開始しながら、いつの間にやら現代風ブラスの炸裂に変貌を遂げていく迫力満点の作品。ライバルSparkeが本CDのプロデュースを勤めており、ちゃっかり自作の‘Dance Movements’も同梱していますから、2大人気作曲家の作品をこの1枚で楽しめることも、お勧めの理由です。 さあ、浮き立つブラスの音色に包まれて、どんな再会の夢が叶えられるでしょうかね。春よ来い!(ちょっと気が早過ぎる?) ![]() |
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映像と音楽
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- 2007/11/02(Fri) -
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![]() 昨日、テロ対策特別措置法の期限が終了したことに伴い、インド洋における自衛隊艦船による給油活動が終了し、2隻の給油艦が撤収というニュースが入って来ました。丁度、ハロウィーン、万聖節、万霊節を迎えた中でのこのニュース、何とはなしに既にあの世に逝かれた先人たちに想いを馳せることになりました。 ただし、このブログでは、この問題に関して自民党と民主党、どちらの主張が正しいかといった政治的議論をするつもりは無いことを初めにお断りしておきます。 しかし、一つだけ指摘して置きたいことがあります。テロリストおよびそれを支援する独裁国家一掃を大義名分として、アフガニスタン・イラクにおいて米国およびその同盟諸国が戦争を開始し、時の政権は崩壊し、戦闘活動は終結したとされてから各々数年以上が経過していますが、その結果当該地域に平和が訪れたかと言えば、事実はさにあらず。むしろ、これらの国々では、それまで以上に国情が不安定となり、治安が悪化したという厳然たる状況が生じているということです。 両戦争の開戦直後、発射したミサイルが標的(?)に見事に的中する映像が何度と無くお茶の間のテレビで放映されたことは、未だ皆さんの記憶に生々しく残っているものと思います。映像の持つ力は偉大です。百万言をもって説得するよりも、一篇の映像の方がはるかに強力にメッセージを伝えます。 そして、その映像に音楽が加わると、その力はさらに何倍にも何十倍にも大きくなるのです。その好例を、ここにお示ししたいと思います。あるサイトに掲載されている2篇のフラッシュです。 [管理人注:視聴するためには、フラッシュ再生のためのソフトを初めにダウンロードしなければならない場合があるかも知れません。またダウンロード後、画面にSTARTが見えたら、1-2回そこをクリックすると再生されます。音楽も聞こえてきますので、是非音量を上げてご覧になって下さい。] 先ず初めは、1985年イラン・イラク戦争開戦直前に起こったとある事件について。 http://specific-asian-flash.web.infoseek.co.jp/turkey.html そう、このフラッシュでは、あの音楽が見事に使われていますね。 そしてもう一つ。太平洋戦争における日本の役割について。 http://specific-asian-flash.web.infoseek.co.jp/kouseki.html どうでしょう。何と感動的な仕上がり、かつ凄い説得力ではないでしょうか。再度お断りしておきますが、ここにご紹介する2本のフラッシュにより、特定の政治的メッセージを伝えることが、本記事の主眼ではありません。これらのフラッシュは、確かに大変重要な歴史的事実を伝えていますが、一歩見方を誤れば大変危険でもあります。 さて、1本目のフラッシュのバックに使われた音楽、多くの方々にとってとても懐かしいと同時に、目に焼き付けられた映像が生々しく思い出されるのではないでしょうか。そうです、1995年から96年にかけて1年間かけて放映されたNHK放送開始70周年記念ドキュメンタリー「映像の世紀」に流れていた音楽「パリは燃えているか」です(加古隆作曲)。明治の近代化政策以後、日本が欧米列強の国々と肩を並べ、否応無く戦争へとなだれ込んでいった時勢を表わすのに、これ程ぴったりした音楽はありませんでした。万霊節を迎えながらの特措法のニュースを聞き、何とはなしにこの番組を思い出した次第です。サントラ盤が2種類出ています。その内の1枚を今日のCDと致します。 ![]() |
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