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一度踏み入ったら出口の全く見えない音楽の深い森。森の中を彷徨い歩く内に出会った神々と妖精たちのお話です。

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我和你
鳥の巣


今年も世界では実にいろいろな事がありました。皆さんにとって一番思い出に残ったことは何でしたでしょうか。


管理人ですか? それはそれは数え切れないくらい様々なことがありましたけれど、その一つに北京オリンピックの開会式があります。丁度昨日の夜遅く、テレビでその開会式を総合演出した張芸謀(チャン・イーモウ)氏の特別インタビューが放映されました。あの開会式は芸術的に見ても素晴らしく感動するものでしたから、大変興味深く拝見致しました。

番組では次々と繰り出された名シーンをハイライトとして再現しながら、それらの演目がどのような構想と仕掛けで実現出来たのか、また大成功の蔭に膨大な時間をかけた苦労と汗が垣間見えて、本当に感心・得心のゆく夢のような一時間でした。とりわけ張氏が、開会式総合監督を引き受けてから無事成功裏に終えるまでの数年間を振り返って、「自分は(中国で)一番優れた演出家であるとは思わないが、一番勤勉な演出家であると自信を持って言える」と述懐するところは、おそらく言葉に言い表し難かったであろう甚大な苦労について、さりげなく言及を避けながら、なおかつプロの演出家としての自覚と闘志を漲らせた独白であり、彼の精神の強靭さがとても印象に残りました。


年の瀬を迎えていつも思うことですが、どうも楽しかったことや嬉しかったことはたくさんあった筈なのに、なぜか悲しかったこと、苦しかったことばかりが思い出されます。そうした人生の悲哀や苦労を乗り越えて、人間として前を見据えて生きる勇気をこの番組から頂いたように感じられました。


北京オリンピック開会式のための歌として、数千、いや数万曲という候補の中から、張氏自らが選んだという公式ソング『我和你 (You and Me)』の歌声で今年の本ブログを締め括りたいと存じます。

どうぞ皆様、よい年をお迎え下さいませ。


http://www.youtube.com/watch?v=JFdWrKtAW2g&NR=1

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もしも夢が売られているものならば
Flowers


今日は仕事納め。  私んところは休みなんかとんでもない、年末まで休みなし~・・・っていう方もいらっしゃるでしょうけれど、一応お役所などでは本日で今年の仕事はお終いってことに暦ではなっています。。。


今年は皆様に取りまして如何な年でありましたでしょうか? サブプライム・ローン破綻に端を発した世界金融危機・経済恐慌のあおりを受けてボーナスは激減、へたをすれば失業で最悪の年なんて嘆かれている方もいらっしゃることでしょう。


If there were dreams to sell,

What would you buy?



John Ireland (1879-1962)の歌曲「If There Were Dreams to Sell」の出だしです。


喜ばしいことがあった方。それがいつまでも続きますように。

辛いこと、悲しいことがあった方。きっと良いことが次に訪れますように。


先頃急死されたヒコックス氏が1971年に設立し、終生その音楽監督を務めたCity of London Sinfoniaを指揮したオーケストラ伴奏イギリス歌曲集(Chandos CHAN 8743)は、Roger Quilterの他、George Butterworth (1885-1916)、Gerald Finzi (1901-1956)、Edward Elgar (1857-1934)、Ralph Vaughan Williams (1872-1958)、そしてこのIrelandと選りすぐった極上の作品だけを集めた逸品です。Stephen Varcoe (Bass-Baritone)の美声とそれをしっかりと支える管弦楽。時には活気に満ち、時にはやさしい息使いが感じられるほどのきめ細かなフォロー。良質のイギリス歌曲の中でも、最も良い意味で上品さに溢れるCDです。そしてあまりの優しさに涙が自然とこぼれ落ちます。

これを聴いて、新しい年にはきっと明るい未来が待ち受けていることを信じましょう。


もしも売られているものならば

   あなたはどんな夢をお買いになりますか?



Ireland1


[仕事その他の事情により、本年も度々休載するなど、皆様に大変なご心配とご迷惑をおかけしてしまいました。謹んでお詫び申し上げます。根気強く待って下さった方々、勝手気ままな更新しか出来ませんが、よろしかったら来年もまた気長な気持ちでこのブログを訪れて下さることを願って止みません。 m(_ _)m ]

さようならヒコックス先生!
Rainbow


しばらくお休みしていましたが、その間に音楽界では大変ショッキングなニュースが入っていました。もう1月近くも前になりますが、去る11月23日ウェールズにあるCardiffの町でレコーディング・セッションに入っていた指揮者リチャード・ヒコックス氏が心臓発作のため滞在中のホテルにて逝去されました。何と享年60歳。指揮者としては、まだまだこれからという若さです。

イギリス音楽が大好きな管理人としては、彼の産み出した膨大なディスコグラフィーに日頃大変お世話になっていましたので、実に驚きました。一般に膨大な録音を残した指揮者としては、カラヤンがダントツと信じられていますが、実はロシアのスヴェトラーノフ氏、そしてこのヒコックス氏がカラヤン氏に匹敵する、否むしろそれを凌駕する量を残していることは案外知られていません。特にイギリス音楽に関しては、数多くのpremier recordingを含め余人の想像を超える膨大な録音量となっています。

ヒコックス氏のCDは、少し以前のものならEMIから、近年のものは主にChandosから発売されています。ヒコックス他界のニュースがイギリス国内に留まらず、欧米を中心に全世界に駆け巡ったのは何ら不思議はありません。ヒコックス氏の演奏の特徴を一口に言えば、とても上品で、それでいて盛り上がるべきところは必ずや万感の想いが込められるという、本当に最上質の音楽を約束してくれる音楽家だったように思います。あまりご存知ない方のために以下のページをご紹介して置きましょう。


http://www.chandos.net/RichardHickox.asp


代表作はそれこそ数え切れません。オーケストラのみならず、合唱指揮者としてもたいへん優れた才能の持ち主で、また古今の有名オペラを英語版によってリリースするという大事業をChandosと協力して行っています。これから個々の作品で取り上げるべき大作も少なからずあると思われますので、本日は上質なイギリス音楽の中でも、特に歌曲の分野で珠玉の作品群を残した作曲家クィルター(Roger Quilte, 1877-1953)の小品を集めた「A Quilter Compedium」(EMI 7243 5 55149 2)を挙げたいと思います。

クィルター氏は20世紀初頭イギリス音楽の大興盛期に、他の作曲者らが次々と眼を見張る作品を引っさげて登場する中にあって、ひっそりと野に咲く花のような存在でした。しかし、今日残されている作品を改めて聴くと、そのどれもが上品で、かつ癒しに満ちた至宝の作品群であることに驚かされます。フィンジがお好きな方なら、必ずや彼の作品も気に入られるものと思います。このCDでは、クィルターのピアノ伴奏歌曲とオーケストラ曲がほぼ交互に収められており、その管弦楽作品をヒコックスがNorthern Sinfonia of Englandを率いて演奏しています。冒頭の「A Children's Overture」から始まり、美しい歌の数々にうっとり、そして白眉は「Where the Rainbow Ends」(1911年作)です。

「Where the Rainbow Ends (虹の果つるところ)」は、元来はクリスマスのために書かれた子供劇への付随音楽として作曲されたものでした。小曲5つから成るたった15分程度の短い曲ですが、ヒコックス氏はさりげなく、しかし実に細やかな愛情をもって指揮しており、極上の芸術作品として仕上げられています。もうまもなくクリスマス。遅ればせの訃報で大変恐縮ですが、このCDの紹介をもって謹んで氏のご冥福をお祈りすると共に、皆様良きクリスマスを迎えられることを願ってやみません。


Quilter1
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