一度踏み入ったら出口の全く見えない音楽の深い森。森の中を彷徨い歩く内に出会った神々と妖精たちのお話です。

葵祭
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もう数日過ぎてしまいましたが、毎年5月15日は葵祭の日。何気に数年前に見学した時の写真を取り出して見ていたら、とても日本のことが懐かしくなってしまいました。この日は確かお天気も良く、平安時代の色とりどりの衣装が大変美しく映えていたことを憶えています。


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行列は京都御所から出発して、途中下鴨神社を経て上賀茂神社まで。総勢およそ500名くらいの老若男女の人々と馬や牛、そして牛車などが、様々な平安時代の衣装を身に付けてしずしずと練り歩きます。要所では有料の観覧席も設けられますが、沿道での見学なら何処でも無料です。


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葵祭の起源は、何と平安遷都より以前の567年、その辺り一帯天候がすぐれず五穀が実らなかったそうです。占いに拠る、これは賀茂の神々の祟りであるということで、それを鎮めるために馬に鈴をかけ、人は猪頭(ししがしら)の被り物をして駈け比べをしたところ、再び五穀豊穣になったことが始まりだそうです。その後、平安初期の810年弘仁元年に伊勢神宮にならって賀茂の社に斎王(神社に奉仕した未婚の女性、いわば女王)が置かれ、今日の原型の行列が行なわれるようになりました。平安時代の中頃には京で祭りと言えば、この葵祭のことを意味したくらいで、途中応仁の乱から江戸の元禄時代頃まで約200年の間と第二次世界大戦終戦前後の数年間だけ中断された他は、ずっと絶えることなく続いていたというのですから、その歴史は祇園祭よりも長く、文字通り京都で最も伝統のあるお祭りです。


元々は「賀茂祭」と呼ばれていたものが、江戸時代に祭が復興した頃に「葵祭」と呼び名が変わったそうで、これは人や馬、牛などに葵の葉が飾られたからだそうです。また牛車には満開の藤の花が飾り付けられます。上賀茂神社に到着すると、古式ゆかしい儀式などがあって、それだけに見物客の人だかりが凄いです。しかし、途中の行列見物なら混雑もさほどではなく、ちょっと葵祭を見たい方にはこれで十分です。何処と言って派手な動きや仕草があるわけではなく、ただ行列を見物するだけなのですが、色彩が美しいからでしょうか、見ていて飽きません。ハイライトはお輿に乗って登場する斎王代。これには毎年民間から未婚の女性が一人だけ選ばれることになっており、選ばれた人は当日のお役目もさることながら、何かと新聞やテレビ等にも取り上げられ、人気の注目の的となります。さぞや競争率が高いのではと思います。


今年は平家物語が大河ドラマにもなっており、京都の葵祭もさぞかし盛り上がっていたのではと思っています。ああ、もう一度観たかったなぁ。






さて今日の音楽は、最近には珍しく邦楽から「敦盛~平家物語より~」。琵琶・語り・唄は坂田美子さん。大変迫力ある演奏です。







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