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一度踏み入ったら出口の全く見えない音楽の深い森。森の中を彷徨い歩く内に出会った神々と妖精たちのお話です。

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味覚の秋とロマンティック・ピアノ協奏曲(4)
AOT3


11月はいろいろと仕事の方で追われ、いつのまにやら晩秋というか、もはや師走が近づいてしまいました。遅ればせながら秋の味覚の代表株の一つ、秋の生秋刀魚も食べなくてはと思いつつも、その機会はついに巡って来ることなくクリスマス・ソングが流れる季節です。今の内に何としてでも脂ののったツルリとしたのど越しの生の秋刀魚を食べたいものだと願っていたら、ある時、そんなに御所望ならご馳走して上げようではないかとの奇特な方のお申し出が。水揚げされたばかりの新鮮な秋刀魚とおろしたての生姜、それに醤油の匂いに誘われていそいそと附いて行き、出されたお魚の瑞々しい魚腹のテカリにはしたなくも思わず生唾をゴックン。お箸で一切れを取り、生姜醤油に浸けて、さあお口に入れようとしたところで、夢が覚めました。あれ~~、あの秋刀魚は何処に行ったの~。


どうやら、あまりに生のお魚の刺身が食べたかったばかりに、以前北海道でとある御仁にご馳走になった時の記憶が夢に現れたようでした。と言いますのは、現在の管理人の住まいの付近では魚のお刺身を食べることがほとんど出来ないんですね。長年慣れ親しんだ食生活から離れるのは、暫くの間なら何とでもなりますが、長くなると正直懐かしいを通り越して辛いものがあります。






音楽でも同じことが言えるような気がします。長年聴き続けたクラシック音楽。かなりたくさんのCDを持っていましたが、それら全てを持って行くことも適わなかったため、持ち出したのはその一部だけ。そのため無性に再び聴きたくなる音楽が多数あることは事実です。懐かしいというより、欲求不満になって精神衛生上好ましくない、そんな状態になることがあるのです。今日は最近そんなことを感じたロマンティック・ピアノ協奏曲黄金時代の幕開け期の作品の一つ、タルベルグの作品をご紹介しましょう。


タルベルグ (Gigismond Thalberg, 1812-1871) はスイスのジュネーブ近くの町Pâquis で生まれました。少年時代の1824年、Beethovenの第9交響曲の初演にも立ち会ったことがあると言われており、その後Ignaz MoschelesやMendelssohn、さらにはChopin、Listz、Schumannといったロマン派時代の大家たちとも面識があり、ロマン派音楽の最盛期を肌身で体感した作曲家となります。当然、ロンドン、パリ、ウィーンといった音楽の中心地で演奏家としても大活躍した人物で、ピアノの腕は抜きん出ていたと当時の彼を知る者は例外なく記していますから、さぞや華やかなヴィルトゥオーゾ・ピアニストだったのでしょう。


彼が若かった時の代表的な作品がPiano Concerto F-minor, Op. 5 (1830年作)。この作品はMichael Ponti(p)が演奏するVoxBoxのシリーズにより管理人はかなり早くから慣れ親しんでおり、折につけ聴いたものでした。まるで活き活きとした生秋刀魚のようなピチピチとした演奏で、今でも生唾ゴックンです。本来ならそのPontiの演奏を是非皆様にお聞かせしたいのですが、YouTubeで全曲を連続して聴けるものとしてはこちらになるでしょうか。ピアノがFrancesco Nicolosi、指揮Andrew Mogrelia、Razumovsky Symphony Orchestra という演奏陣ですが、これはこれで実に堂々とした演奏です。





また入手しやすいCDとしては、こちらになるでしょうか。↓ 
HyperionのRomantic Piano Concertoシリーズの中でも最も新しく発売された中の一枚です。やはりいずれにしましても、秋の生秋刀魚は取れたてピチピチ、新鮮なやつが一番美味しいようですね。(^o^)


TPC1




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味覚の秋とロマンティック・ピアノ協奏曲(3)
AOT2


柿が美味しい季節ですね。野山に出れば紅葉も美しい。毎日がとても忙しい中、美味しいお料理やお菓子に出会うのは、何とも言えない至上の喜びです。


音楽も然り。難しいことは忘れ、ひたすらに流れる美しいメロディーに耳と心を委ねる幸せ。秋は音楽芸術の上でも最上の季節かも知れません。


管理人が大好きなロマンティック・ピアノ協奏曲シリーズから、あまり聞かれることがないオーストリアの作曲家フックス (Robert Fuchs, 1847-1927)の名作 Piano Concerto in B flat minor, Op. 27をご紹介しましょう。1880年完成の作品です。フックスはシューベルト亡き後のオーストリア音楽界にあって、ウィーン音楽院教授として門下にマーラー、ツェムリンスキーやヴォルフといったオーストリアの若い音楽家たちが名を連ねるだけでなく、北欧のシベリウス、マデトヤ、メラルティンといった作曲家たちも彼の指導を受けています。時代の寵児ブラームス、ブルックナーやマーラーらの流れにも影響されず、良心的で正統的な音楽を作り続けました。精神性がどうだとか、哲学がどうだとか、こ難しいことはこのロマンティック黄金時代に不要の概念のように思われます。ただひたすらに流れる音楽に身をまかせるのが正解です。彼にPコンの第2楽章、はてどこかで聞いたメロディーではないでしょうか。





CDとしては、こちらとなります。↓


FPC1






味覚の秋とロマンティック・ピアノ協奏曲(2)
TOF1


先日、突然キリリと冷やしたお蕎麦が食べたくなって、せっせとだし汁を作りました。日本のスーパーなら何処でも買える出来あいの濃縮そば汁のような便利なものは、管理人が住んでいるところでは手に入らないので、自分で昆布や鰹、椎茸、醤油などの材料から作るんです。出来あがったつけ汁を冷蔵庫で冷やしている間に、さて次はお蕎麦を茹でようかなと思ったら、何と最後の袋の麺を使い尽くして無いことが分かりました。ガックリです。


やはり完全に舌が日本の味に馴染んでいるからでしょうか、いつもそれに近いものは自分で調理しているのですが、時々無性に本格的な日本食が食べたくなることがあるのですね。だから、飛行機に乗ると、可能な限り日本食メニューを選んでしまいます。ああ、ざる蕎麦が食べたいよう。


それから出来れば、脂の乗った秋の生秋刀魚を炭火で焼いて、大根おろしとお醤油をちょっとたらしたものを食べたいよう・・・。ぐすん。







ラフマニノフらロシアの作曲家が共産革命の時代に次々と国外脱出したにも拘わらず祖国に留まり、ようやくイギリスに居を構えることを決した時は、それから20年近くも経った1936年という、ロシア音楽が根っから身体に染みついた作曲家メトネル (Nikolai Karlovich Medtner, 1880-1951) の作品は、たとえ故郷を離れて幾久しい晩年の作品といえどもロシアの大地の香りが漂ってきます。彼のピアノ協奏曲第3番E-minor, Op. 60 (1940-43年作)。以前、この曲自体はご紹介したことがあって、その時はマイケル・ポンティ(p)の演奏を推薦したように記憶しています。本日はデミデンコの全曲演奏版を。秋の夜長に、これまた最適の音楽ではないでしょうか。






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