一度踏み入ったら出口の全く見えない音楽の深い森。森の中を彷徨い歩く内に出会った神々と妖精たちのお話です。

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夜明け
MDH1
ロシア上空で迎えた夜明け


どうも、このところ大変仕事が忙しくて、なかなかブログの更新が出来なくて済みません。


いつの間にやら冬季オリンピックが始まりましたねぇ。ところが残念なことに、管理人が今いるところでは開会式の映像も競技の様子も放映されないため、わずかにネットのニュースで結果を知るばかりなんです。(泣)


開催地ソチは黒海沿岸にあり、ロシアの中では最も温暖な地域にある保養地。温泉があることで有名らしいですが、まだ行ったことはありません。しかし、黒海に面すると言えばクリミア半島を有する旧ソ連邦の一つウクライナ共和国なら分かるけれども、ロシアが今でも黒海に直接接しているのかと思われた方はいらっしゃいませんでしょうか。


MOSO1


上の地図の通り、かつてはバルチック艦隊が黒海から地中海への通り道を闊歩し、その後スターリンから現代ではプーチン大統領まで歴代のロシアの指導者がこの要衝の地を決して手放さないことは、この地理的位置からだけでも明白です。
加えて、すぐ南には未だ国境問題を含めて政治的係争地であるグルジアなどコーカサス地方を控えています。その地勢的境界であるコーカサス山脈にはアルプス山脈も及ばないヨーロッパ唯一の5,000メートル級の山々が連なっており、冬の積雪量も万全。今回の冬のオリンピック会場として格好の地ともなっているわけですから、大統領以下、国を挙げてこの大国家イベントを成功させることは、ロシアの将来を占うに当たって至上の命題であることがよく分かると思います。


MDH2
北極海に張り出す氷原上の黎明


そのロシア。音楽、絵画、文学、演劇、映画、そして科学...。そのいずれのジャンルをとっても超弩級の芸術家たちによる名作と輝かしい実績に溢れています。確かにソ連邦時代には2億2千万人くらいの人口と言われ、ロシアという国になっても1億4千万以上の人口を持ち、文字通りの大国です。しかし、この国がその人口以上に大きな文化的遺産を抱えるようになったのは、単に人間の数の多さによってだけではなく、この国(地域)が経て来た歴史の重さ、ヨーロッパ中央部の文化に対する飽くなき憧憬、そして敢えて言えば、その人民が抱えて来た過大なまでの重荷が根源にあったと言うのは些か言い過ぎでしょうか。


今、新たにこの国は夜明けを迎えようとしています。それが薔薇色の未来となるのか、それとも高緯度地方の白夜のように直ぐまた暗い闇に包まれてしまうのか。その正念場の極致がこのソチ・オリンピックであるような予感がしています。








本日の音楽、久し振りに本格的ロシア音楽です。ムソルグスキー (Modest Petrovich Mussorgsky, 1839-1881) の歌劇『ホバンシチナ』前奏曲「モスクワ川の夜明け Dawn over the Moskva River」。


実は同曲、作曲者が亡くなった時は完全に完成しておらず、ムソルグスキーの死後彼の遺稿を引き取ったリムスキー=コルサコフが初めに管弦楽版を完成。しかし、これは本来のムソルグスキーのオリジナルにかなりの変更を加えているとして、彼が残したスコアを元にオリジナルの再現をなるだけ意図したショスタコーヴィチによるオーケストレーションもあります。それ程長い曲でもないので、それぞれを聴いてみましょう。前者がリムスキー=コルサコフ版、後者がショスタコーヴィチ版です。











[余談ながら、ムソルグスキーって「展覧会の絵」といい本曲といい、別人による補筆やオーケストレーションで名作を残したとされるので、「いいとこどり」の最たる作曲家のような気がします。つい最近話題になっている例の人とは大違い。人徳の相違なのでしょうか。実際に部分的にメロディーだけでも作曲したという確かな証拠があれば、事情は違ってくるのでしょうけれど...。]
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