シナモンロールが食べたくなったら
- 2008/06/10(Tue) -
カモメ1



豚のショウガ焼き  9 €
とんかつ  9 €

それと

おにぎり(梅、鮭、おかか) 5.5 € 

そうそう、淹れたてのコーヒーは、お代としてコインを1枚だけテーブルに置いていたから・・・
たぶん 2 € かな?

忘れちゃいけない、あの美味しそうなシナモンロールは一体いくらだったのだろう・・・


[注. 1 €(ユーロ) ≒ 165 円  ちょっと日本の感覚ではお値段が高い気がしますが、欧州は全般に物価が高いです]








何のお話かって?
 
「かもめ食堂」のメニューですよ。ほらッ、あのヘルシンキで開店したばかりの小さな日本食レストラン.って・・・言うか、食堂のさ・・・。

ん、何のことやら皆目分からない? じゃ、これね。↓

http://www.nikkatsu.com/movie/official/kamome-movie/


真新しいフライパンを使った透明感の高い油の中で揚げたばかりの「とんかつ」。齧った時のサクッっとした音が聞こえてきそうです。それからジュージューって油が飛び跳ねて、肉の旨味が滴り落ちるばかりの「豚のショウガ焼き」。そしてそして、ピンク色の身が焼けて脂分が煙となって鼻をツーンとくすぐる「鮭の網焼き」。どれもこれも生唾ごっくんの、実に美味しそうな料理が次々と飛び出して来るんです。

そして何と言っても、可愛い渦巻き模様が断面のシナモンロール。もう想い出すだけで唾液腺が刺激されちゃいます。

http://hidamari.her.jp/pan19.html

群ようこ原作の「かもめ食堂 (原題: ruokala lokki)」。荻上直子が監督して2006年に映画化されました。何処が特別と言って劇的なドラマがあるわけではありません。ただほんわか〜とした仕上がりの、とても味わいのあるストーリーなんです。敢えて言えば、お店のご主人小林聡美さんの笑顔が、すごく素敵な点かな。



フィンランドは、不思議な魅力に溢れた国です。ある人はムーミンに、またある人は森と湖に囲まれた風景に憧れて、この国を一度は訪れてみたいと心に決めます。またある人は、白夜やオーロラを実際自分の眼で見てみたいと憧れるのかも知れません。そうだ、サンタクロースもこの国にいるんでしたよね。「サンタクロースさんへ フィンランド」ってお手紙を書いた人もいるのではないかしら。

中にはシベリウスの音楽に魅かれて、この北欧の国に足を踏み入れてみたいと願った人もいるかも知れません。何にせよ、こうしてこの国の歴史・文化や風土に直に触れた人々の中から、少なからぬ人たちがさらにその強い魔力の虜となって、そこから片時も離れられない程に、この国により深い愛着を示すようになっていると思われます。


不思議なことに、人口に比して歴史に名を留めるフィンランド人作曲家の数は非常に高い気がします。もちろん、クラシック音楽の森に分け入って間もないリスナーにとって、初めはシベリウスの名前くらいしか想い浮かばないかも知れません。でも、少しでも興味を持って近現代の西洋クラシック音楽を聴くようになると、フィンランドが実に豊かな音楽資源を有する稀有の国であることにきっと気付かれ、また驚かれるに違いありません。


グリーグの「ペールギュント」の影響なのでしょうか、北欧音楽と言えば抒情的、抒情的な音楽と言えば北欧音楽、という図式がクラシック音楽ファンの中には出来ているように思います。でもフィンランドの音楽は、実はそんなに単純ではありません。近現代に関しては、むしろ前衛性が際立った作品の宝庫と言った方が良いような気がします。実際、そういう作品を今後随時、取り上げて行くつもりです。

でもその前に、本日はロマンティシズムの香りが馥郁と漂う名品のご紹介から。メラルティン (Erkki Melartin, 1875-1937)の交響曲全集、第1番-第6番 (Ondine ODE 931-2 [3 CDs])です。メラルティンが活躍した時代は、ほぼシベリウスと同じです。シベリウスの名前が世界的に知れ渡っているのに対して、(フィンランド音楽の熱狂的なファンの人たちは別にすると)ちょっと気の毒なくらい知名度が低いです。

でも、交響曲第3番(1906/7年作)を聴いてみて下さい。丁度シベリウスの第3番交響曲とほぼ同じ頃の作品です。例えるならば、シナモンロールの上品な甘さと香り、極上の豆で淹れた深々としたコーヒーの芳しさと、そしてジュージューとエキスが滴り落ちる焼肉の濃厚な旨味。皆みーんな、そこにはあるんです。初めに聴いた時は、「あ、意外と美味しいんじゃない!」っていう感じ。それで数日後に再度来てみたら、「うん、やっぱり美味しいや!」って満足し、次の週も、また次の週もお店のドアを開け、何時の間にか常連に・・・そんな感じなんです。シベリウスの交響曲第3番や第6番の深い佇みがお好きな人、あるいはアッテルベリの交響曲が気に入った人なら、きっとお気に入りになることでしょう。歌心溢れる3番から5番が特にお薦めです。いらっしゃいませ〜。


Melartin1

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コメント
-今度作ってみようかな・・・-
シナモンロール、美味しそうですね。簡単そうに作っていますが、なかなか大変そう!うちにあるパン焼き機のレシピにシナモンロールがありました。こんど作ってみたくなりました。
2008/06/13 20:39  | URL | mimi #-[ 編集] |  ▲ top

-試食なら-
シナモンロール、美味しそうでしょ。映画だと作り方も丁寧に教えてくれますよ。美味しいコーヒーの淹れ方のコツもね。もしもお近くのビデオショップにこのDVDがあれば、是非ご覧になってみて下さい。味見の方はおまかせを〜。(^o^)
2008/06/16 00:08  | URL | RAM #YuxmqlV2[ 編集] |  ▲ top

--
>不思議なことに、人口に比して歴史に名を留めるフィンランド人作曲家の数は非常に高い気がします。

私がシベリウス以外に名前を挙げられるフィンランドの作曲家といえば、アーレ・メリカント(1893−1958)ただひとりです。
しかも、その作品に実際に接したのはただ一度、高校生のころにたまたま出かけたコンサートで演奏されたバイオリン協奏曲第2番だか3番だかの1曲だけ。
印象としてはあまり北欧情緒的な味わいは感じられず、どちらかといえば無調音楽に近い、かなり前衛的なものだったような記憶があります。
その後数年たってから、あるテレビ番組で偶然聴いた彼のもうひとつの音楽は、1952年のヘルシンキ五輪のために書かれた「オリンピック・ファンファーレ」。
当然ながら金管楽器主体の曲で、音楽的性格の違いを措いても、かつて聴いた協奏曲とのあまりの作風の違いにびっくりしました。
メリカントのキャリアとしては最晩年といってもいい時期の作品ながら、青年のような若々しい躍動感の中にも、北国の凛とした空気を感じさせる、たいへんスマートな音楽でした。

今回RAMさんがご紹介くださったメラルティンは、生没年ともにメリカントよりほぼ20年過去にシフトした世代に当たりますね。
メリカントは生前、祖国の楽壇ではあまり恵まれた扱いを受けなかったようですが、このメラルティンはどうだったのでしょうか?
「シナモンロールの上品な甘さと香り、極上の豆で淹れた深々としたコーヒーの芳しさと、そしてジュージューとエキスが滴り落ちる焼肉の濃厚な旨味」の第3交響曲ってどんなお味かとっても興味があります。
「作曲家それとも指揮者?」の稿でご紹介いただいたベーエともども、ぜひ味わってみたいと思います。



>可愛い渦巻き模様が断面のシナモンロール。

マカロンはだめでもこちらは大好きで〜す。
ほろ苦系のブラック・コーヒーが冴えるあの独特の風味、もうたまりません!(^¬^)



Ayako
2008/06/25 23:09  | URL | Ayako #-[ 編集] |  ▲ top

-どうも失礼しました-
>Ayakoさん

コメントを頂きながら、しばらくレスもせず大変失礼致しました。最後の記事をアップして以来更、私、海外に出かけていたり仕事が多忙のため、こちらをほったらかしにしていました。(実はこのレスも、とある外国で書いています。)

フィンランドの作曲家では、シベリウス以外にアーッレ・メリカントしかご存じないとは少々残念です。ある方によれば300人以上の作品をご存知だそうですよ。私は流石にそこまでは聴いていませんけれど・・・。ラウタヴァーラ、エングルンド、カスキ、クラミ、ノルドグレン、コッコネン、パルムグレン、サッリネンあたりは、是非知っておきたい作曲家ですね。

フィンランド人は、上にも書きましたように人口に比して音楽創作力が極めて高い国民です。新しいスタイルの音楽を生み出そうとする意欲がとりわけ強く、この国民の高い教育レベルとも連動しているのかと思われる程です。

メラルティンは全く古い世代に属する作曲家で、人気も上記の上位の人たちに比べれば、決して高くありません。しかも、しばしば斬新性に欠けるという批判すら浴びせられ、いささか可哀相な位です。それだけに作品は耳になじみやすいとも言え、私自身はそこが気に入っています。でも今度は、現代音楽から特別にお薦めできる曲をご紹介することに致しましょう。
2008/07/22 22:15  | URL | RAM #YuxmqlV2[ 編集] |  ▲ top


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