一度踏み入ったら出口の全く見えない音楽の深い森。森の中を彷徨い歩く内に出会った神々と妖精たちのお話です。

茶の木人形
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京阪電鉄の宇治線の車両には、宇治に関連する様々な絵が車両に画いてあり、見る者の目を楽しませてくれます。機関車トーマスやピカチューの絵なら今までもあって、とても可愛いけれど、この種の図柄を画いた電車は少ないのではないかしら。他には、平等院とか源氏物語から平安貴族とかの絵がありました。


2つ前の記事で、京都訪問中に時間を見つけて川べりを散策したと書きました。この川べりというのは宇治川のことだったのですが、さて、この宇治の名物と言えば、平等院と宇治茶です。もっとも平等院の近くにお茶のお店はたくさんありましたが、少なくとも京阪宇治線の車窓から眺める限り、ほとんど茶畑らしい景色は見られませんでした。市街化が進んで茶畑が無くなったのか、それとも元々沿線にはあまり無いのか(途中で少しだけはありましたが・・・)。山の斜面一杯に拡がる茶畑での茶摘みを見ようと思ったら、お隣の宇治田原町とか和束(わづか)町という所に行かなければならないようです。


お茶の木は古くなると当然お茶の葉の生産には適さなくなりますから、新しいものと植え替えられて行きます。その引き抜かれたお茶の木を利用してお人形が作られるようになったのは、江戸時代の頃から。一時期は宇治のお土産物として珍重され、将軍様にも献上されたことがあるのだとか。しかし、材料としてのお茶の木が大量には取れないこと、またお茶の木は堅いため、制作するには根気と手間が掛かり、また後継者難もあって、今日ではこの宇治の「茶の木人形」の事実上の生産はストップしてしまったのだそうです。


この宇治の「茶の木人形」については、人々の記憶からほとんど忘れられていたのですが、地元の収集家が大事に取っておいたり、またその復興に努力している人形作家の方などもいらして、時々特別展示会などが開かれている由。ちょっと検索してみましたら、下記のような写真などが見つかりました。


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お茶の木自体がそんなに大きくなりません。だから、サイズは小さいものが3 cmくらいで、大きくても10 cm程度まで。しかし、素朴な感じで、何となく可愛いですね。


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週末の憩いのひと時、お煎茶の一服を頂きながら、このような極めて珍しいお人形のことを想い出しました。





お人形をテーマにした音楽と言えば、何と言っても有名なのはチャイコフスキーのバレエ「くるみ割り人形」。
他には、このブログでも取り上げたことがあるドレスデン人形が主人公のアーノルド・バックスによるバレエ音楽「From Dusk to Dawn」(2008年4月21日の記事)。
皆様なら、どんな作品が思い浮かびますか?


本日、本来なら管理人が一番に取り上げたかった音楽は、長澤勝俊(1922-2008)氏の「人形風土記」という曲。長澤氏は、三木稔氏らと共に「日本音楽集団」というグループを結成し、現代邦楽の新境地を切り開いた我が国が誇る才能豊かな作曲家の一人です。「人形風土記」の第1曲目「ニポポ(アイヌに伝承するお人形)」の何とも不思議で長閑なリズム感は他に類例を見ません。かなり昔に最初はLPで発売され、後にCDとして一度復刻されたようなのですが、現在はアマゾンにもYouTubeにも見当たりません。管理人はCDとして持っています。


代わりにと言ってはなんですが、長澤勝俊作曲「飛騨に寄せる三つのバラード」から第一楽章です。上記の曲ほど革新性と言いますか新鮮な驚きは感じられませんが、音楽的に大変優れていると思います。





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