一度踏み入ったら出口の全く見えない音楽の深い森。森の中を彷徨い歩く内に出会った神々と妖精たちのお話です。

コーヒー党
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アムステルダムは運河の街。市内を散策していると運河が網目のように張り巡らされていますから、初めての方は余程地図で確認していないと何処を歩いているのだか分からなくなってしまいます。


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それでも有数の観光都市ですから、裏通りに入ったとしてもツーリストなどがゾロゾロと歩いていたりして、独りでも安心して歩けるのがこの街の良いところです。


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ふと小奇麗なお店が目に留まりました。

なになに、お店の名前が “PUCCHINI” ですって? しかも “Amsterdam Chocholat” って書いてあります。

甘党で、かつコーヒー党の管理人としては覗かないわけには参りません。






このようにブラブラするだけでも楽しい街の散策ですが、はて、あれは何処にあったのだっけ? と、もう一度行こうとすると、似たような通りが幾つもあるものだから、意外と迷って再び辿りつけない・・・っていうことが一度や二度ではありません。
それがアムスの魅力の一つです。





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美味しいブラック・コーヒーと真っ赤に熟したイチゴを頂きながら、最近読んだ阿刀田高氏のある短編集のことを思い出しました。その本のタイトルは『コーヒー党奇談』。


ふらりとアムステルダムの街を訪れたとある平凡なサラリーマンが、霧が立ち込める街の中を彷徨い歩く内にふと足を踏み入れた喫茶店で、その主人からそれまで味わったことのない見事なテーストのコーヒーを振舞われます。それがアイリッシュ・コーヒーというものだということは後で知ることになるのですが、店の主人からたどたどしい英語で「10年後の今日と同じ日に美味しいコーヒーと同じ名前の町が東京にあって、そこでもう一度会おうではないか」と誘われるという不思議な体験をします。

「ナンバー・ワン・コーヒー。ブルーマウンテン、ファースト」




話の結末は作品を読んで頂くとして、この「美味しいコーヒーと同じ名前の町」というくだりのところで、「ああ、あれと同じネタだ!」と思わず膝を叩いたのでした。そう、このブログでも取り上げたことのある、このミス大賞の作品『珈琲店タレーランの事件簿』 (2013年4月15日の記事) です。確かあの作品の中でも、コーヒーのブランド名を「青山」という登場人物の名前に引っ掛けて利用していましたよね。


阿刀田氏の作品は、ショート・ショートということもあり、これまであまり馴染みがなかったのですが、『コーヒー党奇談』の中ではその他にも「さまよえるオランダ人」の話題が挿入されているなど管理人の好奇心をくすぐる題材に溢れており、俄然興味を覚えました。





コーヒーの馥郁(ふくいく)とした香りを嗅いでいる内に、もう一つ、ドーンと天空から落ちた落雷のように合点が行ったことがありました。まことに間の抜けた話ですが、それまで「このミス大賞」に選ばれた作品はミステリー部門における新人発掘のコンテストで、わずかな難点のために惜しいかな大賞が取れなかった作品を少しだけ加筆訂正して出版したものとの認識に大きな間違いはないとして、「ミス」はてっきり「ミステリー」の省略に過ぎないとばかり思っていたのでした。実は「ミス」は「mystery」と「miss(逃した)」を引っ掛けていたのですね。


ちょっとホロ苦い体験をしたアムステルダムとコーヒーにまつわるお話でした。







本日は、次の動画をご紹介します。(笑)






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