一度踏み入ったら出口の全く見えない音楽の深い森。森の中を彷徨い歩く内に出会った神々と妖精たちのお話です。

『時間』
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北の方では、これからが桜の開花を迎えますね。3年程でしたが、仕事の都合で東北地方に住んでいたことがあります。4月の末頃が満開でしたので、お花見と新人歓迎会を兼ねて何らかの食事会があり、先輩と一緒に幹事役(要するに会場の選定や予約などの雑務処理掛かり)を上の方から仰せつかったことを想い出しました。


関東以西の平地では、もう桜は散り始め、新緑の鮮やかさに眼を奪われる季節に移りつつあるのではないでしょうか。いや、まだまだ八重の桜が待っているぞとの声があるかも知れません。皆様がお住いの町では何が見頃でしょうか。






管理人が子供であった頃、冬の間ずっと茶の間の中心にあった炬燵をこの桜が散る季節に合わせ押入れの中に仕舞うのが常でした。ところが5月の連休までの間に何度か気温が急激に下がることがあり、その度に「炬燵を仕舞うのが早過ぎ」と文句を言って親を困惑させたことを想い出しました。6畳一間に3人が暮らしていたので、炬燵が部屋の真ん中にあると何かと邪魔だったから仕方がなかったのですが、一度仕舞ったものを再度取り出すということはありませんでした。他に暖を取れるものはなく、ブルブル震えながら我慢して多分早めに床についていたように思います。


昔話のついでですが、管理人が小学生であった頃の食生活を少々。冬の間のおかずは、自宅で糠に漬けていた白菜の漬物。それも毎日。夏はそれが茄子や胡瓜に代わり、他には大根の菜っ葉などが身のお味噌汁くらい。これにイワシのめざしやさんまの味醂干しなどがあれば豪華な食事でした。時折、お肉屋さんが作って売っている揚げ物がおかずになったこともあり、この時は買い物の役は何故か決まって私。もっとも揚げ物と言っても、(ポテト)コロッケとかハムカツ(魚肉ソーセージを薄切りにしてパン粉で揚げたもの)を1枚か2枚だけです。ごく稀にメンチカツ(コロッケの2倍の値段)を買って来なさいと言われたことがありますが、それは本当に稀。だから(お値段が何倍もする)トンカツなるものが横に並んでいましたが、高値の華でいったいどんな味がするのか想像すら出来ませんでした。それでも喜んで買って来たコロッケかハムカツ、それを包丁で2つに切り分けてお皿に盛るのですが、父は大概の場合黙ってそれを箸でつまみ上げ、私のお皿に移して、「それを食べなさい」と眼が言っていました。今から思えば、実に質素な生活でした。





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数日前から、元ウルグアイ大統領のホセ・アルベルト・ムヒカ・コルダノ氏が来日していますね。同氏については、一部の人々にとってはよく知られた存在でしたが、おそらく大方の日本人にとって初耳の人物だったのではないでしょうか。「世界で最も貧しい大統領」などとマスコミが大袈裟なレッテルを貼りましたが、ご本人はそれを否定しています。自分は貧しいのではなく、単に質素な生活をしているだけだと。


大統領在任中から様々な名言を残していますが、最も知られている一つは次の言葉です。

「貧乏なひととは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」


大統領在任時代、給与の9割を慈善団体などに寄付し、残り1割の13万円ですら、将来の教育施設建設のためにその多くを蓄えていたそうです。また大統領公邸に居住せず、首都郊外の水道もない家に住みながら公務をこなしていたことなど、同氏についてネット上を調べると驚くばかりの事実が溢れています。


そのムヒカ元大統領が、来日されてからあるインタビューアーより、「今、日本人が最も欲しいものは何かという、とあるアンケート調査の問いかけに対して、1位が「時間」、2位が「お金」であったという結果をどう思いますか」と問われ、即座に「時間」とはいったい何のための『時間』なのでしょうかと反問をされていました。氏が続けるには、もしもその『時間』が、子供と一緒に過ごすための『時間』であるとか、妻や家族と一緒に過ごすための『時間』、あるいは自分のことを見つめ直すための『時間』であるならば、それは大変良いことです。しかし、もっと仕事で成果を出すためであったり、お金を稼ぐために『時間』が欲しいということであるなら、それは何処かおかしいのではないかと言うのです。眼からうろこの指摘です。そう、管理人を含めて、私たち日本人の多くはいつも時間に追われたような生活をしています。が、いったい何に追われているのか、根本から問い直す必要があることを、瞬時にして返答した氏から突き付けられた形になりました。書店に行けば、氏について書かれた書籍が何冊も売られているとのこと。皆さん、この機会にムヒカ氏の考え方・生き方に共鳴される方も多いのではないでしょうか。






2002年に公開されたアメリカ映画「めぐりあう時間たち The Hours」。マイケル・カニンガム原作、監督はスティーブン・ダルドリー。作者であるヴァージニア・ウルフを演じたニコール・キッドマンがアカデミー主演女優賞を受賞しています。この映画の音楽を担当したのが、フィリップ・グラス (Philip Glass, 1937-)です。登場人物たちの心理的な動きと連動した、とても印象に残る音楽です。予告編とサウンド・トラックのアルバムから、グラスの独特な音楽世界をご紹介しておきましょう。







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