一度踏み入ったら出口の全く見えない音楽の深い森。森の中を彷徨い歩く内に出会った神々と妖精たちのお話です。

「of」について
LLO1


間もなくクラス会が開かれますので奮ってご参加くださいとの案内メールを最近受け取りました。高校のクラス会です。このところずっと週末に仕事が立て込んでおり、せっかく久し振りにお休みとなる日と重なってしまい、どうしようかと思案中。幸いその日は日本に居ることでもあり、懐かしい人たちに会いたい気持ちが半分。もっとも、前回のクラス会に参加したのはだいぶ以前なので、何となく気恥ずかしく躊躇の気持ちが半分。未だ参加するかどうか決めていません。


そんなこともあり、管理人が高校生だった頃を想い出しました。中学校までの授業に関しては、こちらでも時々書かせて頂いた非常に個性的な音楽の先生を除いて、余り印象に残る先生や授業はありませんでした。ところが、高校に入学してから後は幾つも印象に残る授業や体験を経験することになり、今日に至るまで鮮明な記憶として残っています。


そのような体験の一つについて、今日は少し書いてみようかと思います。


先ずは、とあるテスト問題から。
入学して早々、学内実力試験なるものを受けることになり、いきなりびっくり仰天した「英語」の問題に出会いました。


問題: 「私はユリ(の花)が好きだ。」という意味になるような英文を書け。ただし、文頭は「Of」から始めよ。


中学校を卒業したばかりの英語の基礎知識しかないものと仮定して、この問題に皆さんは答えられますか?


実は管理人、中学校では数学や理科は比較的成績が良かったものの、国語、英語や社会といった文系の科目が大の苦手で、とても人様に言えるような成績ではありませんでした。しかし、この問題についてだけは答えが直感的に浮かんだのです。それと同時に、この学校(公立)は何とハイレベルな教育をするところなのかと、この1問だけで感嘆してしまいました。敢えて暫くの間、答えを書かないようにしておきますので、皆さんもお考えください。


最初のテストでいきなりガーンと衝撃を食らわせられましたが、その後続いた日々の授業も相当に密度の濃いもので、教科書を読み進むことの早いこと早いこと。9月に入る頃くらいには教科書を読み終えて、後半の半年は主に副読本のリーディングです。それもただ単に読んで訳させるというだけでなく、絶えず言葉の用法について辞書を丹念に調べることを求められました。それによって、同じ一つの言葉でも様々な意味があることを否応なく叩き込まれたのです。


1年生のある日、先生が「of」という助詞に関してどのような意味・用法があるか、知っている限りを挙げよと問題を出しました。

もちろん、「~の」という所有の意味ならば誰でも答えられますが、それだけでは許してくれません。これも辞書を引けば実に多様な使い方・意味があることはご承知の通りです。「of + 名詞」で形容詞的な意味になることを学んだのも、そうした授業のお蔭でした。他に「of」には「~から」という「分離」の意味や「~のため」という理由の意味があることなど、10種類前後をその日の内に教えられました。


1年生の後半期に選ばれた副読本はO.ヘンリーの短編集(ただし原文版ではなく、多少語句を学習者用に簡易なものにした版だったと思います)でした。その内の幾つかを授業で読み、読み切れなかった数編をある夜自分で読んでみました。「最後の一葉」を読み進める内にハラハラと涙がこぼれ落ちたことを、まるで昨日のことのように覚えています。英語の文章を学校の科目としてではなく、(簡易版にしても)英文学作品として味わえたことに大きな感動を覚えました。それまで何となく暗記物に近かった「英語」が、いわゆる思想や文化の伝達手段なのだということが初めて理解され、いっぺんに好きな科目に変わったのです。






聴く度に胸が切なく締め付けられる名曲『オペラ座の怪人』から「All I ask of you」を今日の音楽としましょう。
ところで、この「of」についてどのような用法か、皆さんは説明できますか?






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